重度訪問介護は、重度の身体障害や知的障害・精神障害があり、日常のさまざまな場面で常に手厚いサポートを必要としている人を対象とした公的な障害福祉サービスです。
今回は、障害のある私が重度訪問介護を利用する中で感じている仕組みや具体的なメリット、日々の暮らしの中で感じている大きな安心感や心境の変化についてお話しします。
そして実際に利用を開始するまでの詳しい手続きのステップについて、自分の体験談を交えながら分かりやすくたっぷりとお伝えしようと思います。
この記事が、自宅での一人暮らしや生活に不安や悩みを抱えている方にとって、自分らしい暮らしを取り戻すための少しでも役立つヒントになれば幸いです。
毎日の生活で助かっている具体的なサービス
一般的な居宅介護の場合、「調理で1時間」「入浴の介助で1時間」といった形で、必要な作業ごとに短時間でヘルパーさんが訪問するスタイルが主流です。
しかし、私のように一人で体勢を保つことや体調管理をすることが難しく、常時サポートが必要な場合、短い時間だけの訪問ではどうしても無理があります。その点、重度訪問介護は長時間、あるいは24時間体制で連続したサポートを受けられるのが大きな特徴です。
ヘルパーさんには、朝起きてから夜寝るまで、暮らしのあらゆる場面で細やかな介助をしてもらっていますが、作業と作業の間の「何もしていない時間」も近くにてくれるため、、毎日を自分のペースで落ち着いて過ごせるようになりました。
朝の準備と身体ケア
朝はベッドからの起き上がりや車椅子への移乗、着替え、洗面、そして食事の介助から始まります。体幹を保てない私にとって、着替え一つをとっても姿勢を支えてもらいながら行う必要があるため、プロの手を借りられるのは本当に助かります。
入浴や排泄の安全なサポート
自分一人では転倒や怪我の危険が伴うお風呂も、ヘルパーさんがいてくれるおかげで安心してお湯につかることができます。排泄の介助や、ベッドの上で体勢を変えるなど、自分では動かしにくい体を定期的にケアしてもらえるため、床ずれの予防にもなっています。
家事全般と「見守り」
また、食事の調理や後片付け、部屋の掃除、洗濯といった家事全般も一緒に行ってくれます。 心強いのは「見守り」です。体調が急変した時も、すぐに手を差し伸べてもらえます。「何かあっても大丈夫」という安心感が、自宅での暮らしを支えてくれています。
社会参加のためのサポート
重度訪問介護の魅力は、家の中での生活を支えることだけにとどまりません。外出時の移動介助や見守りもサービス内容に含まれている点が、非常に大きなメリットです。
しかし、重度訪問介護を利用してからは、以下のような場面でヘルパーさんに一緒についてきてもらっています。

- 定期的な病院への通院や薬局での処方箋の受け取り
- 役所や銀行など、生活に必要な各種手続きのための外出
- 季節の服や日用品を買いに行くショッピング
- 気分転換のための公園散歩やカフェでの休憩
移動の際の安全確保はもちろん、車椅子の操作補助や荷物持ち、出先でのトイレ介助までしっかりサポートしてもらえます。街に出て季節の風を感じたり、自分の目で見て好きな買い物をしたりする楽しみを取り戻せたことは、私の人生にとって大きな変化でした。
「障害があっても社会とつながり続けていいんだ」と実感できています。
実際に使って実感した「自分らしさ」と「家族の安心」
重度訪問介護を実際に使い始めて一番良かったと感じているのは、家族に過度な負担をかけずに、自分らしい自立した生活を送れるようになったことです。
サービスを利用する前は、日常生活のほぼすべてを家族(親や配偶者など)に頼らざるを得ませんでした。家族は私を支えるために自分の仕事や趣味の時間、十分な睡眠時間削らざるを得ず、いつも疲れ果てていました。
私自身も「自分のせいで家族に負担をかけている」「いつも申し訳ない」と強い罪悪感を抱き、お互いに精神的に追い詰められていました。
ヘルパーさんというプロの介助者が入ってくれるようになってからは、家族も自分の生活や休息の時間をしっかり確保できるようになりました。家の中に漂っていたピリピリとした緊張感や疲労感が解消され、家族と他愛のない会話で笑い合える余裕が生まれたのです。
介護を「家族だけの責任」にせず、公的なサービスに頼ることで、家族は「介護者」から本来の「大切な家族」に戻ることができました。私にとっても、自分の意志で生活のリズムを決められるようになり、「自分の人生を生きている」という自負と自分らしさを取り戻すことができました。
相談から利用までの流れ

手順が多くて難しく感じるかもしれませんが、専門の相談支援専門員さんが申請手続きから契約まで親身に寄り添ってサポートしてくれるので安心してくださいね。
- 自治体(市役所や区役所)の障害福祉課、もしくは相談支援事業所に連絡します。「重度訪問介護の利用を考えている」と伝えましょう。相談支援専門員さんが親身に話を聞いてくれます。
- 次に自治体にサービスの利用申請を出します。その後、認定調査員が自宅を訪問し、本人の身体状況や生活環境、必要なサポートについて聞き取り調査を行います。
- 調査結果や医師の意見書をもとに、障害支援区分が決定されます。重度訪問介護を利用するには、原則として「障害支援区分6(高度な支援が必要な状態)」などの要件を満たす必要があります。
- その後、相談支援専門員さんと一緒に、「1日にどれくらいの時間サポートが必要か」「どんな暮らしを送りたいか」を話し合い、具体的な利用計画を作ってもらいます。その計画案をもとに自治体から利用可能な時間数が決定され、「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。
- 最後に重度訪問介護を提供している訪問介護事業所を選び、契約を結びます。ヘルパーさんとの顔合わせや事前の打合せを経て、サービスがスタートします。 〈 参考 「就労センター」障害福祉サービス受給者証〉
一人で不安や限界を抱え込んでいるあなたへ
最後までお読みいただきありがとうございます。
障害が重くなったり、体が思うように動かなくなったりすると、「これ以上周りに迷惑をかけられない」「住み慣れた家で暮らし続けるのはもう無理かもしれない」と、諦めや不安で胸がいっぱいになることがあると思います。
私自身も将来が見えなくなって部屋の中で一人で深く落ち込んでいた時期がありました。
けれど、重度訪問介護という制度に出会い、ヘルパーさんたちの温かいサポートを受けるようになってから、我が家は再び「一番安心して自分らしく過ごせる場所」になりました。
誰かの助けを借りることは、決して弱音を吐くことでも、誰かに迷惑をかけることでもありません。自分らしい暮らしを守るための、前向きで大切な権利です。
あなたも自分一人で不安や限界を抱え込まず、まずは地域の相談窓口や相談支援事業所へ「今、こんなことで困っているんです」と気軽に話をしてみてくださいね。
あなたの毎日がより暖かく自分らしいものになることを心から願っています。















