自立訓練(機能訓練・生活訓練)でできること

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毎日がうまくいかなくて自信をなくしてしまったり、病気や障害の影響で日常の家事や外出が急に難しくなってしまったり、働きたい気持ちはあるけれどいきなり就労支援に通うのはハードルが高すぎると感じたりしていませんか。

そんな悩みを抱えているときに出会うのが自立訓練という障害福祉サービスです。

自立訓練という名前だけを聞くと、なんだか厳しそうな特訓をさせられるのではないかとか、無理やり自立を強制される場所なのではないかと不安になるかもしれません。自分もそうでした。

しかし実際に調べて通ってみると、そこは自分らしい生活を自分のペースで作っていくための安心できる練習場であることがわかってきます。

この記事では、以前生活訓練を受けていた自分が自立訓練で具体的に何ができるのか、機能訓練と生活訓練の違いや実際の生活の変化について丁寧に解説していきます。

自立訓練制度ってなに?

まず、自立訓練という制度についてお話しします。自立訓練は障害者総合支援法に基づく福祉サービスのひとつで、地域生活や社会生活を営む上で支援が必要な人が、一定期間トレーニングや相談支援を受ける場所です。
〈 参考「国立障害者リハビリテーションセンター」障害者総合支援法 〉

対象となるのは、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害のある方や難病の方、高次脳機能障害の人など様々です。

利用期間は原則として1年から2年程度と定められており、この期間の中でじっくりと自分と向き合い、生活の基盤を整えていくことになります。

障害福祉サービスには働くことを目指す就労移行支援や就労継続支援といったサービスもありますが、自立訓練は暮らすことや生活の土台を作る作業に特化しています。

働く前にまずは毎日決まった時間に起きて外出できるようになりたい、自分の体調の波との付き合い方を身につけたいといった、働く一歩手前の準備期間として利用する人がたくさんいます。

自立訓練には大きく分けて、機能訓練と生活訓練という二つの種類があります。は主に身体機能のリハビリテーションや日常生活動作の練習を中心に行うプログラムです。

自 立 訓 練 対 象 訓 練 内 容
生 活 訓 練 精神障害や発達障害、知的障害など 日々の生活習慣の確立やメンタルのセルフケア、家事、金銭管理、コミュニケーション能力の向上を目指す。
機 能 訓 練 高次脳機能障害を持っている人、視覚や聴覚に障害がある人など 理学療法士や作業療法士などの指導のもとで身体を動かしたり、安全に生活するための機器や工夫を学ぶ。

自分らしい暮らしを取り戻す

では、実際に自立訓練の現場ではどのようなことができるのでしょうか。自分の体験から生活訓練の具体的な取り組みについて詳しく見ていきましょう。

まずは朝決まった時間に起きることや定期的に事業所に通う習慣をつけることからスタートします。最初は週に1日からの利用も可能ですので、自分も無理なく生活リズムを整えていくことができました。

飲み忘れがちな薬の管理方法をスタッフと一緒に考えたり、睡眠や食事の記録をつけることで健康的なベースを作っていきます。

次に、家事や日常生活スキルの獲得です。自分のように将来的に一人暮らしをしたいと考えている人にとって、非常に役に立つ内容となっています。

調理実習や部屋の掃除や洗濯、服の整理整頓といった日々の家事の手順を一つひとつ確認しながら身につけていきます。

図書館
自分が最も好きだったのは社会参加や外出の練習です。

一人ではハードルが高い役所や病院での手続き、書類の書き方などを事前におさらいして一緒に練習します。

図書館や地域活動支援センターなど、日常で利用できる身近な居場所を探しに行く外出プログラムなども用意されています。

生活訓練で学ぶ大切なこと

大切な時間としてコミュニケーションや対人関係の練習があります。人と話すのが苦手だったり、過去のトラウマから自分の気持ちを伝えるのが怖くなってしまったりした方のために、安心できる環境での対人練習が用意されていました。

社会生活技能訓練と呼ばれるSSTでは、人に何かをお願いする場面や断る場面、感謝を伝える場面、日常の雑談といった具体例を設定し、ロールプレイを通じて会話のコツを学んでいきます。     〈参考「一般社団法人SST普及協会」SST〉

他の利用者と一緒にゲームを楽しんだり、決められたテーマについて話し合ったりするグループワークを通じて、適度な距離感を保ちながら人と接する感覚を取り戻していくことができました。

自分の障害やメンタルの自己理解とセルフケアも重要です。自立訓練を利用する最大のメリットのひとつが、自分の取扱説明書を作り上げることができる点にあります。

心理教育を通じて自分の病気や障害の特性を正しく知り、何が得意で何に困りやすいのかを客観的に整理していきます。

ストレスを感じたときにどのようにリフレッシュするかという対処法をリストにしたり、自分がこれからどう生きたいのかを再確認するリカバリープログラムに取り組んだりすることで、自分らしい生き方を模索することができました。

一方、機能訓練でできることについても具体的に紹介します。機能訓練では物理的な身体機能の維持や向上が大きなテーマとなります。

訓練の中心は、関節が固まるのを防ぐための訓練や筋力トレーニング、杖や車椅子を使った歩行練習などです。また、着替えや食事、入浴といった日常生活動作を自分の力で行うための工夫や補助具の活用法を学びます。

身体の動きがスムーズになることで行動範囲が広がり、自分でできる喜びや自立への自信を取り戻すことをめざします。

就労支援サービスとの違いは?

就労支援サービスとの違いについても知っておくと、自分の現在地が分かりやすくなります。

障害福祉サービスには就労移行支援や就労継続支援といった働くためのサービスがありますが、これらは階段のようにステップが分かれています。

一番下の土台となるのが自立訓練で、ここでは生活リズムの確立や自己管理、心の安定といった暮らしの基礎を作ります。

就労移行
土台がしっかり整った後に、働くためのスキルやビジネスマナーを学ぶ就労移行支援へ進んだり、配慮された環境で実際に働く就労継続支援へとステップアップしていくのが理想的です。

自分も働きたいという気持ちが焦るあまり、生活の土台が不安定なまま就労支援に通ってしまい、途中で体調を崩してしまうことがありました。

急がば回れで、まずは自立訓練でしっかりとした土台を作ることが、結果的に長く安定して社会で活躍するための近道になると思います。

小さな一歩からはじめてみませんか

最後までお読みいただきありがとうございました。

自立訓練でできることを一言で表すなら、自分に合ったペースで暮らしの土台を作り、安心と自信を取り戻すことです。

自立とは誰の力も借りずに一人で完璧にこなすことではなく、自分の得意や苦手を知り、周りのサポートを上手に頼りながら自分らしい生き方を選んでいくことだと気づかされました。

自分のようにあせって社会に出ようとして失敗するのではなく、まずは生活を整えることが結果的に長く安定して暮らすための近道になります。無理に高望みをする必要はありません。

今の生活を少し良くしたい、明日を穏やかに過ごしたいと感じたら、ぜひ自立訓練という選択肢を考えてみてください。まずは見学や相談という小さな一歩から始めてみませんか。

一人で悩んでいたのは自分だけではなかったんだと実感できるだけで、心が軽くなるはずです。