2023年7月25日10:00~
とまりぎ勉強会「感情と表情が合わない方の支援」という内容でディスカッションがおこなわれました。
【経緯】
・本人Aさんは、以前B型施設に入所していた時に、駅のホームで下半身を露出、他者の財布を盗む、宗教関係者についていく、勝手に募金活動をしてしまうなどの問題行動が見られ支援が難しくなり、現在の事業所を利用することとなった。
・週5日の利用で、ほとんど休むことはない。
・明るく元気があり、人懐っこい性格である。
・仲の良い利用者と一緒になると、騒がしくなったり、他の利用者との距離感を詰めすぎてしまい苦手意識を持たれてしまうことがある。
【課題】
・「不安」「悲しい」「心配」という感情を持っていても、笑顔になってしまう。
・注意されていても、いつもニコニコしていることで、「Aさんの態度はどうなのか」など指摘されやすいキャラクターになってしまっている。
・指摘されていても、ニコニコして反応してしまうが、実際は悲しい気持ちである。
・Aさんが、施設外就労へ行く際、「僕、今日は○○に行くんです」とニコニコしながら職員や他の利用者へ繰り返し伝えると、他の利用者から、「行けない人もいるんだからそんなに言わなくてもいいじゃないか」といわれることがある。
・日頃のAさんの振る舞いから他の利用者に勘違いされることが多い。
【支援対策】
他の利用者から、施設外就労へ行くことについて、「行けない人もいるんだからしそんなに言わなくてもいいじゃないか」と言われる場面に職員が居合わせた場合、その場で、その発言をした利用者さん側に職員が立つ印象にならないよう、職員の口から、発言した利用者さんへ、否定的な発言をする必要はない旨の声掛けをする。
また、指摘されていても、笑顔になってしまうことで、周囲から、へらへらしているように見え「Aさんの態度はどうなのか」など指摘されやすいのであれば、全員の目の前で、敢えて「今笑っているけど、どんな気持ちでいるのか」「今どんな不安があって、笑ってしまう」とのやり取りを重ねていけば、周囲からの「感情と表情が合わないことへの理解」を得られるのではという意見が出ました。
また、Aさんから、笑っていた時の感情を後から聞くと、「悲しくて辛い・不安・気になる」との訴えがあることについては、
欲求、衝動のコントロールが必要であり、「○○したい、嫌だ」という感情の受容をベースとすることが重要であることを考えた。
・受け身ではなく、自分の行動を能動的に選べるようになることを目標とする。
・自分に対して能動的に選択する自由を獲得することで、怒り・不満がなくなり成長していく。
・ありのままの感情の存在を認めること。
これらを段階を踏んで、出来るようになっていくことが大事であるという意見が出ました。