感情のコントロールができない/気持ちを伝えることに困難がある方への支援

2023年6月27日10:00~
とまりぎ勉強会「」という内容でディスカッションがおこなわれました。

【経緯】
令和2年学校卒業後、作業所に通所開始。
5月の連休後から腹痛などの理由で休むようになった。
GH体験利用したが、本利用には至らなかった。
これまで2名の女性職員にしか話をしなかったが、徐々に色々な人に話しかけることができるようになった。
本人は周りから可愛がられるタイプだが、内心ほっといてほしいと思っている。
女性職員がいると、「トカゲ好き」「すっぱい果物好き」「ミント好き」などのフレーズから話すことが多く、口調が早くなり、ついには唸りだし「怒っていない」と繰り返しながら両手の拳を挙げたりする。
落ち着いたころに、話を聞くと、「お母さんから行きなさいと言われたのが嫌で暴れた」「お母さんからご飯を食べなさいと言われたのが嫌だった」「昨晩お風呂にみかんが浮いていたのが嫌だった」ということを話してくれるようになった。
お母さんから支配的なものを感じていて、作業所でも同様に感じているかもしれないと考え、作業種を選択してもらい、昼食を残しても見守り、本人に任せている。
家族構成
義父・母・姉(母の前夫の子)・本人(母の前夫の子)・弟(母と義父の子)・妹(母と義父の子)
義父:「自分にははっきりととした言葉で話さない」
母:「本人を事業所に行かせないと怒られる」「弟は働いているが本人は働かず赤ちゃんみたいだ」
姉:週末は子供を連れて帰ってくる
弟:日中義父の仕事を手伝い、夜間は高校へ通っている
妹:数年前に脳腫瘍の後遺症で多動になり入退院を繰り返す

義父、弟とは関係性が希薄である印象を受ける

【課題】
・感情のコントロールができない
・気持ちをうまく伝えられない
・嫌という気持ちを興奮状態で出してしまう

【支援対策】

男性に苦手意識があることが窺えた。
しつけと支配は別物であることを念頭におき、本人の被害的世界、恐怖を取り除くことが大事と考えた。
欲求・感情・衝動のコントロールには、「安心感の土台」が必要である。
乳幼児期に必要な経験(信頼・自律・自主性)を重ね、安心感(わかってくれる・嫌だがいえる環境)を土台としていった先に、それが本人の器となり、成長をしていくものとだという意見がでた。
現在、本人は「お母さんはわかってくれない」という心理がある
能動的に欲求をコントロールできる意志の獲得がしつけである。
受け身、行動だけ従えばいいという心理、やらされ感は支配である。
安心感の土台を整えてから、しつけ・コントロールへ進むことが重要であると考えた。
このケースは、自我を育てることに重きを置くことが大事だという意見が出ました。