2023年11月28日10:00~
とまりぎ勉強会「意思疎通が難しくて、承認欲求が強く出てしまう方の支援」という内容でディスカッションがおこなわれました。
【経緯】
・2014年6月~2023年2月までは別のB型事業所を利用していた。
清掃が自身に合っていることから、2023年3月より、清掃を行っている現在の作業所の利用を開始した。
・対象者 男性、33歳、自閉症スペクトラム、喃語あり、療育A
・週5日作業所へほとんど休むことなく通所されている。
【課題】
・自分が納得するまで大きな声を出しながら同じ行動を繰り返してしまう。
・他の利用者の前にある部材を、いきなり取ってしまいトラブルになりそうになる。
・他者との距離感がわからないため近くに寄りすぎる。(男性にハグしてしまう)
・距離が近すぎることに、驚いて泣いてしまう利用者もいる。
【支援対策】
・職員との関わりのなかで、注意をする時や何か伝えるために名前を呼ぶと、耳を塞ぐことが多い様子から、これまで名前を呼ばれる事と、怒られるということが自身の中で繋がっており、過去の嫌な経験がフラッシュバックし気持ちが不安定となり、パニックを起こしているのではないかという意見があった。
・自閉症スペクトラムは、常動行動、反すう性、フィルターの弱さが特徴であることから、環境を整えて守ってあげる必要があると考えました。
・乳幼児期に、母子一体となることで快、不快が分化し、喜怒哀楽様々な感情が育成され、言葉の象徴性を獲得していくが、対象者は現在、未分化の状態であり、象徴性が獲得できていない、不安定な世界にいることから、侵入的ではない共感、フィルターの弱さに配慮しながら本人の見ている世界を承認し、安心させてあげることが大事だという意見があった。
・変化しやすいもの(人の感情、表情、声のトーン)に不安を感じやすく、変わらないもの(ルーティン)に対して安心感を得ることを、周囲が理解し配慮する必要があると感じました。